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Twitterで数学に関する話題を発信しています。本家のサイトはログインしなければ閲覧できない仕様になってしまったので,当サイトに移して誰でも見られるようにしました。(2023.8.1)

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

白球が10個,赤玉が $n$ 個入っている箱から,同時に2個の球を取り出すとき,白球と赤玉が1個ずつである確率を $p_n$ とします。このとき $p_n$ が最大になる $n$ を求めよという問題について,直感的には $n=10$ だろうと予想できますが,解いてみると正解は $n=10$ と $n=9$ になります。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

なぜ $n=9$ も答えになるのか,直感的に納得できる説明を考えてみると面白いです。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

直角のことを $\angle R$ と表すことがあります。例えば $\angle\text{ABC}=\angle R$ と書くと,$\angle\text{ABC}=90\deg$ という意味になります。昔は中高の数学でも使われることがあったのですが,今は全く見かけなくなりました。$R$ は right angle の頭文字です。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

"∟" という記号もあるらしく,$∟\text{ABC}$ と書いて $\angle\text{ABC}=90\deg$ を表すそうですが,これは実際に使われているところを見たことがありません。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

コンピューターで対数関数を使うとき,処理系によって log(x),ln(x),lg(x) の意味がバラバラなのが困ります。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

ln(x) があれば間違いなく自然対数ですが,ln(x) の代わりに log(x) が自然対数だったり,そうではなく log(x) は常用対数だったり,ln(x) と log(x) のどちらか一方しか存在しなかったり,さらに lg(x) という関数があって,それが常用対数だったり,底が2の対数だったりします。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

自然対数 ln(x) しかない処理系で常用対数を使いたい場合は ln(x)/ln(10) と入力してください。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

$e$ を底とする対数を「自然対数」というように,$e$ を底とする指数関数を「自然指数関数」ということがあるようです。でもあまり一般的ではないと思います。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

$e$ にはネイピア数という名前があるのですが,高校ではその名前は習わず,代わりに「自然対数の底」と呼んでいます。しかし,自然対数のことを「$e$ を底とする対数」と説明するのなら,$e$ の説明には自然対数の名は使わず,直接ネイピア数と呼ぶべきです。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

ネイピア数を $e$ で表したのはオイラーです。$e$ の由来はEularの頭文字ではないか,あるいは指数関数を表すexponentialの頭文字ではないかと言われたりしますが,実際のところは不明だそうです。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

数学でパイプ演算子 $\rhd$ を使う。$$\begin{align*}3\;\rhd\;&\{\,x\rightarrow 2x\,\}=6\\3\;\rhd\;&\{\,x\rightarrow 2x\,\}\rhd\{\,x\rightarrow x^2\,\}=36\\&\{\,x\rightarrow 2x\,\}\rhd\{\,x\rightarrow x^2\,\}=\{\,x\rightarrow 4x^2\,\}\end{align*}$$

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

$f(x)$ や合成演算子 $\circ$ との対応。$$\begin{align*}f(x)&=x\rhd f\\g\circ f&=f\rhd g\\(g\circ f)(x)&=x\rhd f\rhd g\end{align*}$$

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

パイプ演算子 $\rhd$ と合成 $\blacktriangleright$ は区別した方が良いという考えもあります。$$\begin{align*}f(x)&=x\rhd f\\g\circ f&=f\blacktriangleright g\\(g\circ f)(x)&=x\rhd(f\blacktriangleright g)\\&=(x\rhd f)\rhd g\end{align*}$$

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

最近授業でラグランジュの未定乗数法を扱う機会がありました。制約条件 $g(x,y)=0$ のもとで目的関数 $f(x,y)$ を最大化・最小化する問題で,最適解 $(x,y)$ の候補を求める方法です。図は,$f(x,y)=xy$,$g(x,y)=x^2+2y^2-8$,$x\gt0$,$y\gt0$ の場合です。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

曲面 $z=xy$ を山の斜面,曲線 $x^2+2y^2-8=0$ を山道とすると,この山道で最も標高が高い地点を求めるには,山道と等高線が接しているところを探せばよいというものです。答えは $(2,\r2)$ です。一般にはそういう地点は最高点の候補でしかありませんが,この例ではそのまま答えになっています。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

点 $(x,y)$ における $f$ と $g$ の勾配(傾きが最も急な方向)を求めると,$\nabla f=(y,x)$,$\nabla g=(2x,4y)$ です。これはそれぞれ等高線と山道の法線ベクトルなっていて,最高点ではこれが平行になることから,$\nabla f=k\nabla g$ と表せます。これと制約条件 $x^2+2y^2-8=0$ で連立方程式ができ,それを解くと $x=2$,$y=\r2$ を得ます。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

偏微分を使うので大学入試には出ませんが,線形計画法の微分バージョンとしてイメージだけでも持っておけば,最適化問題を思考するときの助けになると思います。