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Twitterで数学に関する話題を発信しています。本家のサイトはログインしなければ閲覧できない仕様になってしまったので,当サイトに移して誰でも見られるようにしました。(2023.8.1)

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

「内積=0 ⇔ 垂直」に従って,零ベクトルは任意のベクトルと垂直であるという考えもありますが,高校数学では零ベクトルは垂直とは言いません。「ベクトルのなす角=90° ⇔ 垂直」という図形的な解釈を優先しています。どちらが正しいかという問題ではなく,ただの流儀の違いと考えて下さい。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

(a,b)と(c,d)の内積は,x方向とy方向の基本ベクトルをx,yとして,(ax+by)∙(cx+dy)=(ac)x∙x+(ad+bc)x∙y+(bd)y∙y=ac+bd と簡単に導出できます。でも一般的な流れでは,余弦定理を使って証明します。それはなぜか考えてみて下さい。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

答え。この導出過程に内積の分配法則と交換法則が使われているからです。一般的な流れでは,分配法則や交換法則は(a,b)∙(c,d)=ac+bdを使って示すので,それを(a,b)∙(c,d)=ac+bdの証明に使うわけにはいきません。参照が循環してしまいます。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

つまり,あらかじめ内積の定義から分配法則と交換法則を導いておけば,この方法でも(a,b)∙(c,d)=ac+bdの証明になります。さらに,ここから余弦定理も簡単に証明できるので,こちらの流れの方が合理的に感じられます。(それが教育上ふさわしいかどうかは別です)

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

鋭角や鈍角など,大きさによる角の分類はWikipediaに分かりやすく書かれています。学校では習いませんが,少なくとも平角は知っておいた方がいいです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%92%E5%BA%A6#.E5.88.86.E9.A1.9E

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

この中で,優角と劣角は互いに共役角であるときに使う言葉です。鋭角や鈍角と並べられていますが,角の大きさの範囲を表すために使う言葉ではありませんので,注意して下さい。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

90°-θは余角,180°-θは補角といいますが,360°-θは聞きません。検索してみると同伴角という用語はありましたが,広く使われている様子はありません。ちなみに,英語ではexplement angle,中国語では周余角というそうです。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

円周を2点で切って分けた2つの弧を共役弧というので,共役角という用語もありそうです。検索すると確かにありました。でもやはり普及している様子はありません。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

中国語にも共轭角という語があります。共轭は共役のことです。結局,共役角とよぶのが一番よさそうです。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

360°を周角というので,これと合わせて使うならば,共役角は周余角という方が分かりやすく感じられます。しかし,周角自体があまり普及していないので,やはり使いにくい言葉であることに変わりはありません。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

対数法則(logの計算に使う公式)の証明はどれも単純なのに,わざわざ別の文字に置き換えて証明しているものが多く,文字が増えて無駄に分かりにくくなっているように思えます。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

分かりやすく説明するのに,置き換えは有効なこともあれば,逆に有害なこともあります。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

中学生向けの図形の証明問題には,ベクトルを使うと簡単に証明できるものがあります。特に難問とされているものが簡単に解けると,ベクトルの有り難さがよく分かります。そういう問題がないか探してみて下さい。また,どんな問題にベクトルが有効なのかを考えることになるので,それも勉強になります。

浜田昌宏 / 浜田塾@hamadajuku

例えばこれは高校入試の問題ですが,ベクトルで証明すると簡単です。
http://tube.geogebra.org/m/KJywpI8N