数学コラム

代数学の基本定理に触れる面白い証明

面白い証明を思い出しました。いつだったかは分かりませんが,「高校への数学」に載っていたものだと思います。

$a+\f1{a\Rule{0pt}{0pt}{3pt}}=b+\f1b=c+\f1c$ が成り立っているとき,$a,~b,~c$ のうち少なくとも2つの値は一致することを証明せよ。

[証明]

$a+\f1a=b+\f1b=c+\f1c=k$ とすると,次が成り立つ。

$\eqalign{ a^2-ka+1&=0 \\[2px] b^2-kb+1&=0 \\[2px] c^2-kc+1&=0 }$

これらは,$a,~b,~c$ が $x$ の2次方程式 $x^2-kx+1=0$ の解であることを示している。2次方程式の解は高々2つなので,$a,~b,~c$ のうち少なくとも2つの値は一致する。■

見事ですねえ。しかしこんな奇抜な証明,中学生にはそう簡単には思いつかないだろうなぁ。中学生には解くというよりも鑑賞してほしい問題ですね。

(2003/08/13)